エコミィのブログ｜環境ビジネス

松下電器産業と松下電工はそれぞれの得意技術の相互利用や設計の共通化を進めて製品の一体開発を本格化する。第１弾となる製品を今秋投入するほか、続いて両社横断の研究チームも発足する。10月の「パナソニック」への社名変更とブランド統一に伴い、主に「ナショナル」を使ってきた白物家電などの分野での連携を深め、ブランド移行を円滑に進める。
　第１弾として9月にも共同開発したＩＨ家電製品を搭載したシステムキッチンの新シリーズを発売する。松下電産が電工のキッチン向け専用に、ＩＨクッキングヒーターや自動食器洗い乾燥機、生ゴミ処理機、換気扇など機能製品を一括して開発する。
　その後、製品ごとに両社横断の研究開発チームも発足させ、機能やデザインの共通化、家事や掃除のしやすさなどをテーマに製品開発を進める。
　白物家電やヘルスケアの分野でも共同製品開発を強化。電工は消臭や除菌作用を高める微細なイオン発生技術を冷蔵庫や空気清浄機、加湿器などに提供している。今後も除菌効果の高い光触媒技術などを両社の製品開発に生かすほか、健康や理美容器具などの共同開発も検討していく。
　これまで相乗効果が薄かった松下電産のＡＶ（音響・映像）機器と電工の住設建材事業でも協力する。ホームシアターでは、電工が壁内部に薄型テレビ「ビエラ」や専用収納棚を組み込んだり、防音効果の高い壁材、特殊配線などを開発。パナソニックブランドのセット商品として発売する。
　電工が得意な防犯・防災システムに、松下電産の監視カメラやネットワーク技術を盛り込んだセキュリティーシステムを新たに開発する。
　創業90周年を節目として10月に松下電産はパナソニックに、電工はパナソニック電工にそれぞれ社名を変更。グループ全体で製品ブランドも海外で浸透しているパナソニックに統一して、アジアを中心とした新興国や欧米などグローバルな競争力を高める計画だ。